| F綾部の ものづくり |
| 梅原陽介 |
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ものづくりの原点は、人類の有史以来であります。
その発達は人間の経験が知識を生み、知識が智恵を生み、その智恵の集積が、次々とものを生み出してきたことに関係します。
獣を狩るには弓矢や斧が入り、田を耕し、作物を収穫するにはクワやカマが入ります。又、それを食するには鍋が入り、食器が入り、住居も衣服も必要になってきます。
植物が潤沢に成り、人口が増えれば、狩場や耕作の為の土地を確保する為に争いが起こります。争いが起これば戦いが始まり、その戦いに勝つ為には刀や槍や防具が必要に成ってます。
その為に人々はありったけの智恵をしぼり、工夫をして、より強く、より多く、より豊かにと挑戦を続けてきたのであります。そして、そのものづくりの為に人が要り、材が要り、金が必要となり、そこに経済が生まれる必然性があった訳であります。
つまり、ものづくりと言うものは矛盾するものなのであります。
言い換えれば、豊かさと悲劇とが相反するものなのであります。
そんな矛盾の中で、我が地域のものづくりを考えてみると、遡ること2000百年前の前後漢時代にその端を発します。
つまり、この漢民族が大陸から偏西風に導かれて渡り至いた処が、今で言う丹後海岸。そこから由良川沿いに南下し、時の都に向かったとされています。その道すがら、由良川沿いの野生の桑の群生を見て、そこに専住する様に成り、養蚕が始められ、地域における家蚕の始まりがあったとされ、綾部の文字が江戸の昔には漢部(あやべ)と書き記されていたのは、そのせいである訳であります。
勿論、当時の大陸からの渡来は日本海側全域であったであろうし、九州に至っては それ相等の渡来があったものと考えられ、今でも各々の地域にその足跡が垣間見られることは多く確認されているところであります。

さて、本に戻って、我が綾部地域の近世におけるものづくりは、前述の養蚕等に始まる訳でありますが、何といっても、グンゼの発祥があろうと思います。
ご承知の通り、グンゼ社は今年で創立110周年を迎えられ、発足当時より一貫して繊維産業の雄として、国内はもとより世界の先端を進んでこられた訳であります。
が、近年になってあるいは次代の変遷の中で、絹からメリヤスへ、メリヤスから高分子化学へ、高分子化学からIT関連、あるいは医療関係、エンプラへと、業種転換と拡大を計られ、各々の時代に促したものづくりへの対応をされてきたのであります。
グンゼ株式会社
その他にも、我が町綾部には日東精工があります。
日東精工は70年近い歴史を持ち、軍需産業流制化の中で、精密機械工作から始まり、流量計、光学機器、ファスナー事業へと、時代に促した研究開発を続け、「技術」の日東としての極小ネジ、プラスチックネジ、パワーロックネジの開発、更にはそれに関連するロボット開発に至り、今日のIT関連全ての分野に、ネジの需要を開拓し続けているのであります。
日東精工株式会社
以外にも、綾部には機械工業では 綾部東洋ゴム工業、サンコードー、暁製作所、サント機工、綾部機工、又、繊維工業としては綾部紡績、シゲノ等、地域産業としてのものづくり企業を多数 擁しています。
又、府営工業団地、市営工業団地、個別開発等には、日東公進、オムロン、トステム、三ツ星ベルト技研、国産部品工業、堀内機械、カワイ電線、日東薬品、京セラSLCコンポーネンツ等のものづくり企業集団を招き入れ、ものづくりの街の根幹を成しているのであります。

しかしながら、ものづくりの基本は、只単にものをつくると言う事のみに終始していいのでしょうか。
ものづくりの発祥は「必要」と言う母である事は万人の知るところでありますが、その「必要」なるものは万人万物であり、砂漠の民は水を必要として、水上の民は土を必要とするのであります。
ものづくりのキーワードは「必要」である事は確かでありますが、「何の為に」「何が」という意思決定が大変重要であります。
更にその意思決定の中で最も重要なのは、過程なのか結果なのか、であります。言い換えれば、製品なのか商品なのかであります。
製品とは、造る事に重点を置いたものづくり。
商品とは、売買をする事に重点を置いたものづくりであります。
つまり、前者はプロセスに重点があり、後者は結果に重点がある訳です。更に詰めると、前者は技術や社会貢献(役に立つ)事が課題でありますが、後者は消費されるか否か、消費者に受け入れられるかどうかが問題なのであります。極端な言い方をすれば、前者は作れればいい。後者は売れればいい。ということになります。
しかし、ものづくりは今や社会の根幹を成すものでありますから、それが継続しなければなりません。
「継続は力なり」である訳ですから継続させる為には、この「作る」と「売る」の基本コンセプトを明確にし、そのバランスを考える必要があります。

そんな思いを基本に持ちながら、我が街綾部のものづくりは…
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1.新・古のバランス 歴史ある企業と新生の企業との調和
2.伝・先の共存 伝統産業と先端技術産業の同居
3.大・小の組み合わせ 大量生産と注文生産のネットワークづくり
4.地・外の共同製作 地場産業と誘致産業の融合
5.ハードとソフトの共存共栄 ソフト産業とハード産業の適性立致
6.企業と地元の認知と理解 地域におけるものづくりの現実を知る
7.財情報の共有 人材、物財、金財の情報交換
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これ等を基本的な考え方として、地域活性につなげようとしています。
その具体的なものを考えてみますと、
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1)地場産業で第一部上場企業がある。
グンゼ株式会社(110年)、日東精工(70年)
2)上記2社はいずれも業界でトップの企業である。
地場産業においてもものづくりの特異性を有し、生産ラインシステム、あるいは光学精密
機械その他、活況関連産業等の下請企業を多く在している。
3)府営工業団地を有し、進出企業18社操業のいずれについても各々の特徴を生かした経
営を行い、常にその業界のリーダー格である。
とりわけ、電気エネルギー供給のエネサーブや、新分野開発に力を注ぐ三ツ星ベルト技研
等はその最もたるものである。
4)市営工業団地を有し、すでに6社が操業、2社が竣工建築中である。
5)府営、市営団地外の誘致企業としては、オムロン綾部工場が今年20周年を迎え、センシ
ング産業としては世界一の技術力と出荷量を誇っている。
又、昨年6月には京セラSLCコンポーネンツがグループとしても世界レベルの最先端工場
として操業を始めている。
その他、食品関連として花伝院が昨年4月より操業を開始している。
6)これ等を対照にサービスを行っている物流関係も徐々に充実しつつあり、綾部流通トラック
事業(協)、関西丸和ロジスティクス、福山通運等が立致している。
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これ等綾部のものづくりを更に進める為に、
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1)綾部市活性のスローガンにものづくりを揚げ、
2)商工会議所と市とのタイアップに依る「ものづくり館」の設立。
3)地場産業と進出企業との交流(受発注)
4)地域住民と産業界との交流(適人材紹介)
5)進出希望企業と地権者との交流(立致勧奨) |
等を積極的に推進しようとしています。
しかし、この様な地域上げての大プロジェクトには、時間と経費が嵩むということは先刻ご承知の事と思います。
これ等のプロジェクトが推進されますと、地域は活性してきます。活性すれば申すまでもなく税の潤いも創出出来る訳でありますから、是非とものご理解ご協力を今まで以上にお願いをしたいのであります。
例えば、…
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1)税の問題 ・・・・・A
A:立致企業に対する優遇措置
2)資金融資の問題 ・・・・・B
B:立致企業は勿論の事、それに関わりを持とうとする地元事業者に対しての融資制度。
(例えば 保証協会を除く、保証料の免除、など)
3)道路設備の問題 ・・・・・C
C:アクセス道路設置への補助等
4)駅周辺並びに市街地設備の問題 ・・・・・D
D:乗降客の増加や利用頻度増に依る、ダイヤの改正や駅の整備
又、周辺市街地民や住民の積極的取り組みに対しての理解。
5)地元商工関連団体への援助協力の問題 ・・・・・E
E:これ等を推進する中心となる商工会議所等に対しての、活動等に対する補助対策の
充実。 |
…等は、いかにしても認識し確保しなければなりません。
これ等の適性実行が、より効果的な地域活性の基に成るものであります。その為には、これ迄の審査条件排除型ではなく、成果審査型あるいは実行対費用効果検討型にシフトを転換するべきであると考えます |
2006.2.2
「新丹波シンフォニー」京都府丹波広域振興局へのコメント |
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